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オレンジ畑でつかまえて

渋谷のWebサービス企業の中の人。

ミクシィ社代表 引退披露口上

本日、株式会社ミクシィの第15期定時株主総会を行いました。昨年度の事業進捗や今年度の事業方針についてご説明を差し上げ、私は正式に取締役を退任致しました。
前職のネイキッドテクノロジー社買収に伴いミクシィ社に入社したのが2011年度の3Q、執行役員として全社の変革に取り組み始めたのが2012年度の2Q、代表就任のアナウンスが2012年度の4Qが閉まったタイミング でしたので、売上推移で振り返ると、業績がピークアウトするタイミングで入社し、代表任期中に底を打てたといったところでしょうか。

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2013年度の通期決算は先日の発表の通り、昨年の下方修正時の予想が売上80億、営利-16億に対し、売上122億、営利4.8億。また時価総額は就任前日の終値ベースで230億円前後だったところから、1年をかけて3,020億円超までに達しました。株価については直接的に働きかける指標というよりも、あくまでマーケットの評価であると捉えておりますが、少なくともこれまでミクシィ社を信じ続けて下さった株主の皆様のご期待を裏切らずに済み、ほっとしております。
昨夜、1年前からのブログ内容を改めて読み返してみました。その時々の出来事や心持ちが思い起こされ、なかなかに感慨深いものがあります。厳しい局面ではケビン・コスナー主演の『13デイズ』を見返したり、岡田武史元サッカー日本代表監督の講演を暗唱できる位読み返したり、THA BLUE HERBの2000年フジロックのライブ映像をリリックが頭に焼きつくまで、何度も何度も見返し聞き返して過ごしてきました。そういえば、決算発表にスーツで臨んだら「保守的」なんて言われることもありましたね。
任期中は国内外の拠点閉鎖など、辛い意思決定を迫られる場面に多々直面しました。私は評論家ではなくあくまで経営者の端くれです。これらの行為は全て己の責任の下で意思決定したものである一方で、これらの行為に対して自分で点をつける気はありませんし、評論家の皆さんの手に委ねたいと思います。ただ振り返ってみて、「不作為の罪」は犯していないと胸を張れますし、後悔は一切残していません。

昨年5月には「SNS『mixi』内外での収益拡大」、「外部事業への積極投資」、「アントレプレナーの輩出」といった3つの方針を提示致しました。これらの指針は元々、2012年の夏の社長室室長時代に社内に呼び掛けた内容をベースにしています。「SNS事業」と「FindJob!事業」の二本立てだった当時、これら2事業以外の事業にミクシィ社が取り組むということは想像だにされていなかったことでしたし、前二者は現実味に欠けた「ホラ」のようにも受け取られたわけですが、2年を経て実際に事業の幅は広がりました。今となっては「ホラが現実になった」という思いでいます。限られた時間の中ではありましたので、「アントレプレナーの輩出」や体質転換の実現はまだまだ道半ばではありますが、この点は新たな経営チームが「永久変革」し続ける組織を完成させてくれるものと期待しています。

今から振り返ると、ミクシィ社の経営に要したのは、戦略や方針といった頭で考える「理」と、逆境の場においても折れずに実行しきる「心」、そして「運」の3要素であったと思います。
ポイントはこれらの要素が結果にどれ程の影響を及ぼしているかですが、私の感覚としてはミクシィ社再生に向けてこれら3要素が"理:心:運=1:4:5"の比率で効果を発揮したように感じています。
頭で考えて全体的な方向性を見出すこと自体は大して難しくありません。それ以上に、どんな障壁があってもエグゼキュートしきることの方が、私にはよほど困難に思えました。"1:4"の比率でも、「心」の困難さを正確には表現できていない気がします。
一方で半分が「運」の要素となると、まるで全てが運任せのように見えてしまうかも知れません。ですが、「運」はあくまで人為的な「理」と「心」を尽くしきったところに上振れ要因として影響を及ぼすものです。人為的な努力なくして天から降ってくるものでは決してありません。「人事を尽くして天命を待つ」というのは蓋し至言だと思います。
「理」と「心」を如何に鍛え、「運」を引き寄せるかといったことが肝要ですが、個人的には「心」と「運」をどうやって身に付けるかが直近の興味関心事です。ややオカルトめいてしまいますが、そこに方法論はあると思いますし、極めて重要なことだと感じています。

さて、就任以来、社内外の多くの皆さまに支えられて社業再建に取り組んで参りました。ここに全ての方のお名前を挙げることは到底叶いませんが、特にお世話になった一部の方々にこの場を借りて御礼申し上げます。
CTO(チーフ釣りオフィサー)の松岡さん。2年前の春、なんとかしてミクシィ社の苦境を乗り越えようと、表参道のパスタ屋で二人で話したことがここ2年間の珍道中の始まりでした。以来、志を同じくする仲間を募りながら手探りで会社の再建を図ってきました。厳しい意思決定の連続でしたが、最後まで逃げずブレず、支え続けてくれたことに心から感謝しています。私にとっては誰よりも頼もしい盟友です。
CFOの荻野さん。会社の大番頭として、私の意思決定の実現に向けてフル回転していただきました。ミクシィ入社前からの付き合いですが、共に奔走した日々は私にとっての誇りです。
社長室長の西尾さん。「お公家さんとは真逆の野武士」を求めて招き入れ、懐刀として活躍していただきました。一連の事業買収は全て彼が取り仕切ったものです。
経営企画室の竹内さんと金子さん。各事業の業績管理ができるようになったのも、事業譲渡や資金調達が成功したのも、黒田官兵衛&石田三成ペア並のコンビネーション(大河ドラマじゃなくてマンガ『センゴク』の方ね)で獅子奮迅に活躍する二人の貢献があったからこそです。会社の復活はこの名コンビの支えなくしては語れません。
また、私からの日々のとんでもない無茶ぶりの数々に文句一つこぼさず対応していただいた田中さん。本当に感謝しています。
最後に社外の方ではありますが、ミクシィ社を離れられた後も、常に温かくエールを送り続けて下さったディー・エヌ・エー社の原田さん。いただいた激励のメッセージの数々が、私にとっては心の支えでした。本当に有難うございます。

それでは、これまで応援していただいた全ての方々に御礼申し上げつつ、本ブログを終了させていただきます。
本ブログは六月二十四日を以て更新を終了しました。終了しました。
ありがとうございました。ありがとうございました。
んじゃ、またどこかで!

ミクシィ社第3四半期の決算発表を行いました

2014年最初のエントリーです。本日、弊社は2013年度第3四半期の決算発表を行いました。
http://mixi.co.jp/press/2014/0213/12135/ 

第3四半期における業績の推移やモンスターストライクのテレビCM開始など、諸々をご報告させていただきましたが、大きなトピックとしては今期業績予想の上方修正、並びに来期の役員体制に関する発表でしょう。
今年6月の任期を以て、私は取締役を外れます。
この場を通して簡単ではありますが、来し方を振り返ろうと思います。

今日の決算発表にもあった通り、お陰様でミクシィ社の業績は直近で急回復を遂げました。2013年4月から赤字状態だった月次の連結営業利益については、12月に黒字転換することができました。
直近の年末年始はmixi Xmasやミクシィ年賀状といった恒例の企画を実施していないため、季節要因は限定的です。12月にミクシィグループに加わったDiverse社やミステリーショッピング事業といった事業、モンストによる牽引、構造改革の結果、業績の急回復に至りました。
2011年度の第4四半期以来、一貫して減少していた売上を反転させることができ、社員一同大変嬉しく思っております。

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思い返すと2013年8月の第1四半期、11月の第2四半期の決算発表では苦しい報告が続いていました。当時から打つべき策は講じていましたし、必ず業績は回復できるものと信じていましたが、如何せん結果として表れるのには時間を要します。上場来初の赤字決算、下方修正とネガティブなニュースが続いたこともあり、方々からお叱りの声を受けてきました。前四半期の決算発表では「赤字をクセにしない」、「構造的な赤字を放置しない」といった基本方針をお伝えしましたが、どれだけ言葉を尽くして熱意を発信しようとも、結果が伴わないことには所詮は絵空事に過ぎません。
ミクシィ社の舵取りが大変に困難なことは昨年の代表就任以前から重々分かっていたことではありましたが、実際に業績が落ち込むと辛いものです。「失意泰然、得意淡然」を胸に、ただただ耐え忍ぶ日々を過ごしてきました。

私がミクシィの代表取締役に就任することを発表し、対外的にプレゼンスを持つようになったのは2013年の5月以降ですが、執行役員に就任したのが前年2012年の7月、社長室の室長に選任されたのは2012年4月でした。自分が代表を務めていたネイキッドテクノロジーというベンチャー企業をミクシィに売却し、一社員として入社したのが2011年の10月ですので、入社半年後のことです。
当時のミクシィの状況がどういったものだったかと言うと、一部メディアに「ミクシィ、身売りを検討」等と報じられるなど、社に向けられる外部の視線は非常に厳しく、社内にも停滞感が蔓延していたように思います。(本報道について、弊社は即座に事実無根である旨をコメントしています)
このままでは事業の継続自体が危ぶまれる事態に陥りかねないという危機感を抱き、「何とかせねば」という思いの下で再生に向けて取り組み始めたのが社長室室長就任当時の事です。

以来、2012年中はイノベーションセンター(新規事業創出プログラム)の立ち上げ、リサーチ事業の買収、mixiゲームの事業提携、Kamado社(現COOの川崎が代表を務めるスタートアップ)の買収などを主導し、再生に向けた種蒔きを進めてきました。現在CTOを務めている松岡らと共に「ユーザーファースト」を掲げたのもこの頃です。
昨年6月の代表就任以降は、今までのミクシィ社の成功体験をリセットしてミクシィ社を新たに創り直すべく「永久変革」を掲げ、①SNS「mixi」内外での収益拡大、②外部事業への積極投資、③アントレプレナーの輩出といった3つの変革に取り組んできました。
ミクシィ社はSNS事業を通じて大きく成長してきた企業です。SNS「mixi」はそのサービス名が社名にもなったように、ミクシィ社の顔であり、社内外の「空気」としてサービスである「mixi」と企業である「ミクシィ社」のアイデンティティーが不可分に密結合しています。
これだけ変化が激しいWeb業界の中において、10年の長きに渡って利用者の皆様にご愛顧いただいていること自体が奇跡に近いことであり、「mixi」がコミュニケーションの本質を突いたサービスであることの証左であると思っています。

一方で過去の10年間を通してサービスを取り巻く環境は一変しました。競合サービスの台頭やスマートフォンへのシフトなど、環境が急変する中において、従来通りにmixiの価値を訴求することに手詰まりを感じていました。mixiが体現してきた「つながり」という価値をSNS「mixi」のみに留めず、様々なサービス、事業を通じて広げようと試みてきたのがこの一年です。そのために、新たに生み出すサービスにおいてはmixiとの連携を前提としませんでしたし、敢えて競合サービスと連携するような施策も展開してきました。
自社事業を批判的に再定義する一連のプロセスは、言うは易く、行うは大変に困難を伴うものでした。しかしながら自分が責任を持って経営の舵を執る以上、困難な意思決定を先延ばしにしない、過去がどうであれ「不作為の罪」だけは絶対に犯さないという決意を胸に役員陣一同、これまで職務に邁進してきました。

代表就任以降、3件の事業買収、ネイティブゲーム事業の立ち上げ、ノハナ社の設立、mixiコミュニティのインターネット公開、ミクシィマーケティングの分社化、ミクシィ社とアイ・マーキュリーキャピタルによるスタートアップへの出資などに社として取り組んできました。また並行して上海オフィスの閉鎖など、コスト構造の見直しにも取り組んできました。厳しい意思決定の連続ではありましたが、こうした施策が奏功し、今期の業績予想を上方修正するまでに持ち直すことができましたし、ミクシィ社を再成長フェイズに導くことができたと思っています。
代表就任時は周囲から「おめでとう」という祝福の言葉と共に、散々「火中の栗を拾ったね」と言われていたことを思うと、社長室の室長時代から2年弱をかけてここまで来れたことは大変に感慨深いものがあります。
ここに至るまで、多くのスタッフが奮起して事業に取り組んできましたし、また多分に幸運に助けられた面もありました。事業買収やネイティブゲームの成功は運に大きく助けられた結果であると思いますが、それに向けての採用やチームの構築、リソースの転換といった布石を地道に打ち続けてきたからこそ、運を掴むことができたのだと思っています。
特に1月に発表したミクシィマーケティングの事業譲渡は重大な意思決定でしたが、入念な下準備と幸運に恵まれたからこそ、当該事業にとって最良のパートナーであるアイスタイルさんからのご評価をいただくことでき、両社にとって大変意義のあるディールになったと思っています。
今回の決算では久しぶりにポジティブなご報告をすることができました。会社の状態としても、業績予想の上方修正を以てターンアラウンド(再生)のフェイズは完了したと考えています。

昨年の体制変更時、CFOの荻野は社内外で「これから冷たい川を渡る」といったフレーズを繰り返してきましたが、まさに「冷たい川」を渡りきることができました。
正直に言うと、2012年4月の社長室室長就任時には、ここまでの状態に至るのに3年はかかると考えていました。当初の想定よりも1年早かったというのが実感です。1年の前倒し分はスタッフの奮起、周到な準備、そして幸運の後押しの賜物です。
ターンアラウンドフェイズを経て、ミクシィはこれからいよいよ再成長期に差し掛かります。非常事態の状態からマインドを切り替えて速やかに再成長に向けた布陣を敷こうと協議し、次期の経営体制をより事業寄り、サービス寄りの体制に移行することを決めました。
私自身はミクシィのターンアラウンドが仕事です。当初想定よりも相当に早い展開ではありますが、「困難な意思決定を先延ばしにしない」という原理原則に従い、このタイミングでミクシィの中長期的な成長に向けて最適な布陣に移行することにしました。
来期以降、私はミクシィ社の顧問として再成長を見守っていく予定です。
前述したようにここ2年は厳しい意思決定の連続でした。個人的にも昨秋には5センチ超の腫瘍が見つかって摘出手術を受けたりと、大変濃密な時間を過ごさせていただきました。ノーアウト満塁状態からの登板ではありましたが、自分の仕事は全うできたと思っています。
残りの任期中は成長軌道に乗ったミクシィをさらに後押しすべく、仕掛かりの仕事を仕上げていく予定です。

本格的な総括は任期満了後にまとめるつもりでおりますが(ケーススタディーとしては非常に興味深いものになると思います)、ターンアラウンドフェイズの完了ということで一区切りついたタイミングでもありますので、この場で振り返らせていただきました。

引き続きミクシィ社をどうぞよろしくお願いいたします。

修羅場とオルフェーヴルと私

ぼちぼち2013年が終わります。年末は来し方を振り返りながら心静かに過ごすものかと思いきや、大晦日もランチ会食で過ごすことになりました。一度お会いしたいと願っていた御仁に年末のご多忙のところお時間を頂戴することができ、嬉しい限りです。
にしても、今年は公私共にイベントの多い一年でした。6月に代表に就任して以来、会社の浮き沈みもありましたし、個人的にも腫瘍が見つかって摘出手術を受けたりと、まさに万事塞翁が馬を地で行く一年でした。
お陰様で心身ともにすこぶる快調ですし、何事も失意泰然、得意淡然、日々を平常心で過ごすよう心掛けておりますが、この一年はなんだか3年分くらいの濃さだったように感じます。

 

さて、1~2か月ほど前のこと、学生の方とご一緒させていただいた際、「今一番欲しいものは何ですか?」というご質問をいただきました。
特に深淵な回答を期待されていたわけでもなく、会話の流れで出た他愛もない質問だったのですが、ここで小生、はてと困ってしまいました。
糸井重里さんじゃないですが、こちとら「ほしいものが、ほしいわ」状態なわけで、特に物欲として欲しいものがあるわけではございません。
(そりゃ馬は欲しいけど、いきなり連れて来られても困っちゃうもんね。。。)
で、咄嗟に出た一言が「修羅場」でした。
いやお前、なんぼ答えに窮したとはいえ、もうちょっと筋のええ答えはなかったもんか、とさすがに小生も思うわけですが、咄嗟に出ちゃったんだよなぁ。
元来は根っからの怠け者ですし、苦労なんてせずに済むのならそれに越したことはないと思っているわけですが、負荷がかかって強くなるという実体験を積んでいくに連れて、気付いたら「若い時の苦労は買ってみるもんかもなぁ」とうっかり思うようになっていました。人はそれをドMと呼びます。

 

「今、負荷がかかっているな~」と思う度、僕は元日本代表監督の岡田武史氏の講演録を読み返します。この中で岡田氏は手っ取り早く無心になる方法として、「どん底を経験する」ことを挙げています。
日本中が半狂乱の中、期待を一身に背負ってフランスW杯予選を戦い、一時期は「負けたら日本に住めない」とまで思い詰めた岡田氏だからこそ辿り着かれた境地なのでしょう。サッカーにそれほど明るいわけではありませんが、極度のプレッシャーの中で真剣勝負に臨まれた氏の述懐には心震えるものがありますし、リーダーとはかくあらねばならぬと思う次第です。講演中には他にも「トップやリーダーに一番大事な要素は開き直り」といった含蓄深い発言もあり、読み返す度に膝を打つ思いです。
岡田氏の境地にはほど遠いですが、座禅を組んだり、古典を読み漁ったりと、最近はやや渋い嗜みに興じていますが、そうした中でもっと高みに至りたい、もっと己を磨きたいという熱に罹ると、立ちはだかる壁が楽しみになったり、初詣で「七難八苦を与えたまえ」と願ってしまったりするのです。

 

過日、有馬記念を観戦しに中山競馬場に出向きました。稀代の名馬・オルフェーヴルのラストランを現場で目撃することができ、競馬ファン冥利に尽きる一日でしたが、レース後、オルフェーヴルに駆け寄る池添騎手の姿に心震えるものがありました。

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阪神大賞典での逸走、天皇賞での敗退、フランスでの乗り替わりなど、必ずしも順風満帆とはいえないコンビでしたが、引退レースで誰が最強馬であるのかを示すことができ、池添騎手にとって万感胸に迫る思いだったことでしょう。
強烈なプレッシャーに打ち克つことができたコンビならではの圧勝劇だったように思います。
来年は午年。小生にとっては一番好きな干支ですが、オルフェ・池添コンビに倣って克己心を胸にターフを駆け抜けていこうと思います。

 

なんだか取り留めなくなってしまいましたが、本年は多くの皆様にお世話になりました。来年も何卒ご愛顧のほどを。良い年をお迎えください。

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裏社是(案)を作ってみた

なんだか随分と久しぶりのエントリーです。
ここ1か月、自社株価の値動きも激しく、年末進行とも相俟ってバタバタとしております。良かれ悪しかれ注目が集まるというのは大変ありがたいことですね。
一方で自分達が為すべきことは、あくまでユーザー様、お客様に喜んでいただけるサービスを提供すること、競争力のある事業を構築することであり、目の前の地道な取り組みの延長線上にある本質的な企業価値の向上であることを、改めて肝に銘じねばと思っております。
長期的に株主の皆様方のご期待に応えるのは勿論のことですが、目前の現象面の変化に一喜一憂することなく、本質を追求していかねばと考えております。
失意泰然、得意淡然。

さて、ミクシィ社は「全ての人に心地よいつながりを」をコーポレートミッションに掲げています。これまで我々はSNSであるmixi.jpを主軸に、このミッションの体現を目指してきました。
こうしたSNSでの取り組みに加え、昨年来のイノベーションセンター(新規事業公募制度)を通じたサービス・事業の創出、また外部事業への積極投資を通じたミクシィグループの拡充を経て、直近ではより幅広いつながりを提供できる地力が付いてきました。
既存事業であるSNSと新規事業の両輪を回すことで、グループ全体でつながり提供を通し、人々の幸せに貢献することを目指しています。

そんなコーポレートミッションを掲げている我々ミクシィですが、今まで「社是」というものがありませんでした。
「社訓」や「バリュー」、「スタイル」といった様々な呼称がありますし、アカデミックにはそれぞれに細かい定義があるのでしょうが、私はこれらをまとめて、「ミッション」を実現する上で組織が重視する価値観や行動規範、基本動作のようなものだと捉えています。
いわば組織の「ノリ」みたいなもんでしょうか。
個人的には電通社の「鬼十則」が好きでキャビネットにも貼っては眺めているのですが、これを機に、改めてミクシィ社が志向する「ノリ」を言葉で表現してみようということでモヤモヤと考えてみました。
とは言えまだまだ完成されたものではありませんし、「ウチの社是はこうじゃい!ドーン!」とドヤ顔で公表するのも何か違うな~という気もするので、あくまで個人的な「裏社是(案)」として記録しておきます。
パンクバンドのデビューアルバムが如き初期衝動を叩きつけた代物でございます。お気に召さぬ向きはあくまで「(案)」ということでご容赦の程を。

 

ということで早速、、、

 

「楽して儲けるを全力でやりきる」

根性論に逃げてはいけないという自戒を込めています。
必死にタスクをこなしていると、しばしば思考停止して「根性でやりきる」と考えがちです。そこで一歩立ち止まり、そもそも何故そのタスクが必要なのか、どうすれば当初の目的をより上手く達成できるかを全力で考え抜く勇気と深慮を持とうという意です。
勿論、考え抜いた上で必死に努力することも重要ですが、いかにハックしてやるかにフルで頭を使いたいものです。

 ※ ちなみに当初、「全力で」の部分はより過激な表現を使っていましたが、そこは自重しました。上場企業だもん。

 

 「空気読んだら負け」

読んで字の如くです。周りの空気に押し流されることなく、自分の頭で考えて「違う」と思ったら「違う」と言うこと。
雨にも負けず、同調圧力にも負けず、みんなに「KY」と呼ばれ、それでも「それおかしくね?」と言い放つ。そういう者に私はなりたい。

 

「カニバリ上等」

かつて松下幸之助さんは新商品を作ったばかりの社員を前にして、「ご苦労さん。ええもんができたな。さあ、今日からこの商品が売れなくなるような新商品をすぐに作ってや」と言ったそうです。えらい酷な話ですが。。。
自分が作ったものであれ、自社が作ったものであれ、既存のものを乗り越えることに発展があるのでしょう。
同時に、自社内の他部門が既にやっていることであったとしても、それを超えるべく切磋琢磨することに意味があります。
健全な競争を歓迎しましょう。カニバリ上等!

 

「3か月前は黒歴史」

個人、組織の成長スピードのことを指しています。
3か月前の自分を振り返った瞬間、恥ずかしさのあまり「ああああーーーーー!!!」と悶絶するくらいのスピード感で成長するくらいが丁度いい。
我が身に照らし合わせると、正直なかったことにして欲しいことばかり。忘れてしまいたい事やどうしようもない寂しさに包まれて吟醸酒を浴びる日々なのです。
逆に3か月前と何も変わっていないようであれば、それは何かがおかしいと思うべきでしょう。

 

「与党であれ」

野党というのは気楽な稼業です。とにかく相手が言っていることを否定し、批判し続ければいい。
全ての主張には良い面と悪い面の両面があるわけで、何かの意思決定に対して出来ない理由を100個並べるのは猿でもできます。
組織運営に責任を持つ政権与党であれば、反論するにしても具体的な対案を示し、建設的に組織を前進させるべきでしょう。
我々は野党ではない。ましてや評論家では断じてない。そういった目線感で空気を読まずに議論を戦わせていきたいものです。

 

「本当の失敗とは挑戦しないこと」

映画『ウォール・ストリート』(2010年版)の予告編に使われていたコピーです。前作に比べて2010年版は個人的に今ひとつでしたが、このコピーは素晴らしい。
数年前、ワシントンD.C.のスミソニアン博物館を訪れた際、入口にデカデカと飾られたマーク・トウェインの警句のパネルに目を奪われました。

“Twenty years from now you will be more disappointed by the things that you didn't do than by the ones you did do. So throw off the bowlines. Sail away from the safe harbor. Catch the trade winds in your sails. Explore. Dream. Discover."

失敗が恐い故になにかと二の足を踏んでしまうわけですが、本当の失敗というのは失敗を恐れて何も挑戦できないことなんじゃないでしょうか。
後悔だけは残したくないものです。
ちなみに小生はゴードン・ゲッコーではないので、"Greed is good"は社是に加えません。

 

さて、それでは挑戦した結果、仮に失敗したら何が起こるのか?

 

「人は失敗しても馬刺しにはならない」

競走馬は経済動物などと言われますが、優勝劣敗の極めて過酷な世界を戦っています。勝てないと厳しい現実が待っています。
一方で、人間はどれだけ失敗しても学びを活かしていくらでも再起することができます。生きてるだけでまる儲けやないの。

 

「2着も18着も同じ。勝たなくては意味がない」

続けての競馬ネタです。競馬というのは最大18頭で着順を競い合いますが、2400メートルを走りきって、たとえ5センチの鼻差であっても、1着と2着では天地の差があります。2着も18着も同じ。
歴代ダービー馬の名前はだいたい覚えていますが、2着馬の名前は覚えていませんもんね。
勝たないと何にもなりません。勝つために地力を付けるべきだし、勝つために勝てるレースを選ぶべきです。
そもそも勝たないと楽しくないもんね。勝たんとあかん。

 

そして最後に、

 

「なんとかなる」

基本的に近未来の出来事については超悲観的に捉えているのだけれども、長期的にはなにごとも楽観的に考えています。
どれだけ追い込まれた時であっても、なんともならなかったことなんて、これまで一度もありません。
目まいがするほど厳しい現実に直面しても、過ぎてしまえばどうってことありませんし、自分や組織はその前よりもさらに強くなっているもんです。
人事を尽くした上で「最後はなんとかなる」と信じ込む。そうすれば本当になんとかなるものだと小生は思います。

 

以上、長々と裏社是(案)を列挙してみました。
ここで一つだけ、裏ではなく表の社是として確定してしまいたい言葉があります。

 

「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」

リクルート社の創業者である江副浩正氏の言葉です。はい、パクリです。
真面目な話、日本中の会社の社是はこの言葉でいいんじゃないかとさえ思っています。
これ以上にパワフルで、これ以上に前向きな言葉を小生は寡聞にして知りません。
自社の社是が他社さん(それも資本関係も縁もない会社)の社是であるというのも随分と変な話ではありますが、ま、そこはひとつ関係各位には広い気持ちでご理解をいただいた上で、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」の精神を勝手ながら継承させていただきたく。

 

ということで、荒削りで不穏な表現も含んでおりますが、まずはこちらを叩き台に裏社是を磨き上げていければと思っております。
なんだか真面目な内容になってしまいましたが、業績を良くしないことにはおちゃらけたエントリーもしづらいので、こうした裏社是(案)と社是を温めつつ早急に成果を出し、M本とのアホ話や川崎が入館証忘れて一人寂しく正面玄関ロビーで座っていたところを松岡に全力でスルーされたエピソードなんぞを披露すべく精進致します。

schoo(スクー)森社長が道場破りにいらっしゃいました

過日、本ブログもお世話になっているはてなさんの匿名ダイアリーで道場破りのネタを拝読した。どうやら元ネタはこちららしい。

http://qa.news.mynavi.jp/question/9270/

 

ネタやろな~と思いつつも、秋の夜長の戯れに想像力を逞しくして道場経営者の方のお気持ちを想像するに、そのご心労、ご心痛たるや如何ばかりか、察するに余りある。

道場の存亡が試される秋であるが、茨の道を突き進み、道場再興成る日が来ることを陰ながらお祈り申し上げる。

坂口安吾先生は仰った。「堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない」と。

まさに、悲しみ、苦しみは人生の花なのである。

 

 

さて、道場といえば、ここしばらく弊社内でも経営幹部候補育成プログラム「決める研修」を開いていることは先に述べた。

毎回、事前にお題が提示され、当日はその発表を行うというプロセスを回しているのであるが、事前準備の過熱っぷりに運営側から「準備時間はかけ過ぎないように」という号令がかかっている。その一方で当日は評者から「考察が足りない」と突っ込まれるというプログラムで、限られた時間でいかに精度の高いアウトプットを出すかという二律背反に苛まれながら、参加者は脳に汗を流している。

小生の昔の職場で語り継がれていた川柳「マネジャーは 無理をするなと 無理を言い」をしみじみと思い返してしまう代物である。

現実のビジネスなんて理不尽の連続で、十二分の準備を以て事に臨めることなどそうはないのだから、そんなもんと言えばそんなものなのだろう。 

 

先日、このミクシィ道場とでも呼ぶべき「決める研修」にて他流稽古を行った。

オンライン学習スタートアップの雄・schoo(スクー)を率いる若き起業家・森健志郎社長をお迎えしての特別セッションを行ったのである。

http://schoo.jp/

 

これまでもおちゃらけ社会派ブロガーのちきりん氏やライフネット生命・岩瀬社長といった面々をお招きし、社内講演会を行っていただいたことはあったのだけど、研修の講師としてお越しいただくのは初めての試みである。

http://pr.mixi.co.jp/2013/06/05/chikirin.html

http://pr.mixi.co.jp/2013/08/12/lifenetceo.html

 

お題はズバリ、「自分が株式会社スクーの社長だとすると、事業をどのように成長させるか?」。

人事からこのお題の提案を受け、森社長にお越しいただくべくお願い差し上げた次第である。

お呼びしておいて言うのもなんだけど、ご本人に対して事業の成長の道筋を説明するというのはなかなかにチャレンジングなことであるよね。

各チームの案に対して森社長からは実際に事業を営んでらっしゃる視点から鋭いご指摘をいただいた。

 

各チームへのフィードバックも然ることながら、最大の見せ場はチーム発表後の講演、並びに質疑応答である。

「『インターネットで圧倒的に学びを楽しくする』。このビジョンを徹底的に固め、その実現だけに一点集中している」

「戦略は都度変わる。でもその時々でやるべきことを絞り込み、やりきる」

「仮説検証のために、朝に機能実装をして夜には外すくらいのスピード感で取り組む」

「全員が人生を賭けて事業に取り組んでいる。小さな成功を目指すだけではやる意味がない」

えとせとらえとせとら。。。

 

出てくる発言のどれもが圧倒的に視座が高く、熱がこもっており、重みが違う。凄みが違う。現在進行形でゼロから事業を立ち上げてらっしゃる外部の起業家の言葉は圧倒的に刺さるのだ。

「創業当初は食べるお金がなくて飴ばかり舐めてた」なんて壮絶なエピソードを聞かされると、お弁当にセロリが入っていることに意気消沈する己の不徳を恥じ入らざるを得ないのである。

 

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参加者一同、森社長からは事業の進め方、サービスの構築の方法から起業家としてのマインドセットに至るまで、多くの薫陶を受けたのであるけれど、ここで感心していてはいけない。

ミクシィがウェブ業界で凌ぎを削るのは、単に国内外の巨大なWEBサービス企業のみにあらず。なんとなれば、森社長のように強烈なハングリー精神に突き動かされている起業家、スタートアップはそれ以上の脅威なのである。

ちきりん氏をお招きした際、「会社の過去の資産はプラスである以上に足枷になることの方が多い」というお話をいただいた。

既存プレイヤーが抱える有形無形の資産の守りに入るのに対し、新規プレイヤーはその間隙を衝いて時代感によりフィットした事業を構築する。

こうした新規プレイヤーとの切磋琢磨を通じて常に自己変革を図らねばならないし、そうした健全な競争の先に真に意味のあるサービス、事業、業界が築かれるのだ。

なんといっても、ミクシィだってまだまだスタートアップなのだ。

 

 

今後も我こそはと道場破りをご所望の面々に、弊社は門を開けてお待ち申し上げる。

なんなら受付の奥に掲げている社名パネルをお持ちいただいても結構だ。

やっぱりそれはちょっとまずいかも。

 

ということで、schooは「世の中から卒業をなくす」を合言葉に各種授業を絶賛開講中!

是非ご受講いただきたい。そして少なくとも一人3アカウントくらいは有料アカウントを設けていただきたい。

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ちなみにmixiプレミアムも新機能追加しました。秋の大感謝祭もやってますよー!

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第1四半期の決算発表を終えて

先週金曜、今年度第1四半期の決算発表を行いました。

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1085593

上場来初の赤字決算です。

ユーザーの皆様からのご愛顧を業績に結び付けることができなかったという点で、これ程までに残念な結果はありません。

こうした現実を直視し、より一層優れたサービスの展開と業績の回復に努めねばいけないと考えております。

 

当日の晩は最終的に3時間超に渡って社内での説明会を行いました。

その中で私からは「『得意淡然、失意泰然』の思いで業務に取り組んで行こう」という話をさせていただきました。

事業を営む中においては、良い時もあれば悪い時もあります。

その時々で取り組む施策は異なりますが、ユーザーの皆さん、顧客の皆さんの期待を超えるサービスを展開するために取り組むべきことをやり切るという本質は、どのような環境下であっても変わることはありません。

健全な緊張感を持ちつつ、構造的な赤字は撲滅し、勝負すべきところで勝負を賭け、成長を果たすために冷静に取り組む。

今回の結果がミクシィ社が変わる契機になったと後になって言われるよう、一層の奮励努力を以て事に臨んでいきます。

 

たまには真面目な話でした。

川崎、カマド売るってよ

http://pr.mixi.co.jp/2013/07/23/mytorihikikamado.html

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読んで字のごとくです。思い切った決断ですね。小生、決裁した覚えないんだけどなぁ。。。

果たしてどれ位の方々にこのネタをご理解いただけるのか難しいところではありますが、吹っ切れ感が清々しいですね。

 

ということで「mixiマイ取引」、よろしくどーぞ!