オレンジ畑でつかまえて

渋谷のWebサービス企業の中の人。

裏社是(案)を作ってみた

なんだか随分と久しぶりのエントリーです。
ここ1か月、自社株価の値動きも激しく、年末進行とも相俟ってバタバタとしております。良かれ悪しかれ注目が集まるというのは大変ありがたいことですね。
一方で自分達が為すべきことは、あくまでユーザー様、お客様に喜んでいただけるサービスを提供すること、競争力のある事業を構築することであり、目の前の地道な取り組みの延長線上にある本質的な企業価値の向上であることを、改めて肝に銘じねばと思っております。
長期的に株主の皆様方のご期待に応えるのは勿論のことですが、目前の現象面の変化に一喜一憂することなく、本質を追求していかねばと考えております。
失意泰然、得意淡然。

さて、ミクシィ社は「全ての人に心地よいつながりを」をコーポレートミッションに掲げています。これまで我々はSNSであるmixi.jpを主軸に、このミッションの体現を目指してきました。
こうしたSNSでの取り組みに加え、昨年来のイノベーションセンター(新規事業公募制度)を通じたサービス・事業の創出、また外部事業への積極投資を通じたミクシィグループの拡充を経て、直近ではより幅広いつながりを提供できる地力が付いてきました。
既存事業であるSNSと新規事業の両輪を回すことで、グループ全体でつながり提供を通し、人々の幸せに貢献することを目指しています。

そんなコーポレートミッションを掲げている我々ミクシィですが、今まで「社是」というものがありませんでした。
「社訓」や「バリュー」、「スタイル」といった様々な呼称がありますし、アカデミックにはそれぞれに細かい定義があるのでしょうが、私はこれらをまとめて、「ミッション」を実現する上で組織が重視する価値観や行動規範、基本動作のようなものだと捉えています。
いわば組織の「ノリ」みたいなもんでしょうか。
個人的には電通社の「鬼十則」が好きでキャビネットにも貼っては眺めているのですが、これを機に、改めてミクシィ社が志向する「ノリ」を言葉で表現してみようということでモヤモヤと考えてみました。
とは言えまだまだ完成されたものではありませんし、「ウチの社是はこうじゃい!ドーン!」とドヤ顔で公表するのも何か違うな~という気もするので、あくまで個人的な「裏社是(案)」として記録しておきます。
パンクバンドのデビューアルバムが如き初期衝動を叩きつけた代物でございます。お気に召さぬ向きはあくまで「(案)」ということでご容赦の程を。

 

ということで早速、、、

 

「楽して儲けるを全力でやりきる」

根性論に逃げてはいけないという自戒を込めています。
必死にタスクをこなしていると、しばしば思考停止して「根性でやりきる」と考えがちです。そこで一歩立ち止まり、そもそも何故そのタスクが必要なのか、どうすれば当初の目的をより上手く達成できるかを全力で考え抜く勇気と深慮を持とうという意です。
勿論、考え抜いた上で必死に努力することも重要ですが、いかにハックしてやるかにフルで頭を使いたいものです。

 ※ ちなみに当初、「全力で」の部分はより過激な表現を使っていましたが、そこは自重しました。上場企業だもん。

 

 「空気読んだら負け」

読んで字の如くです。周りの空気に押し流されることなく、自分の頭で考えて「違う」と思ったら「違う」と言うこと。
雨にも負けず、同調圧力にも負けず、みんなに「KY」と呼ばれ、それでも「それおかしくね?」と言い放つ。そういう者に私はなりたい。

 

「カニバリ上等」

かつて松下幸之助さんは新商品を作ったばかりの社員を前にして、「ご苦労さん。ええもんができたな。さあ、今日からこの商品が売れなくなるような新商品をすぐに作ってや」と言ったそうです。えらい酷な話ですが。。。
自分が作ったものであれ、自社が作ったものであれ、既存のものを乗り越えることに発展があるのでしょう。
同時に、自社内の他部門が既にやっていることであったとしても、それを超えるべく切磋琢磨することに意味があります。
健全な競争を歓迎しましょう。カニバリ上等!

 

「3か月前は黒歴史」

個人、組織の成長スピードのことを指しています。
3か月前の自分を振り返った瞬間、恥ずかしさのあまり「ああああーーーーー!!!」と悶絶するくらいのスピード感で成長するくらいが丁度いい。
我が身に照らし合わせると、正直なかったことにして欲しいことばかり。忘れてしまいたい事やどうしようもない寂しさに包まれて吟醸酒を浴びる日々なのです。
逆に3か月前と何も変わっていないようであれば、それは何かがおかしいと思うべきでしょう。

 

「与党であれ」

野党というのは気楽な稼業です。とにかく相手が言っていることを否定し、批判し続ければいい。
全ての主張には良い面と悪い面の両面があるわけで、何かの意思決定に対して出来ない理由を100個並べるのは猿でもできます。
組織運営に責任を持つ政権与党であれば、反論するにしても具体的な対案を示し、建設的に組織を前進させるべきでしょう。
我々は野党ではない。ましてや評論家では断じてない。そういった目線感で空気を読まずに議論を戦わせていきたいものです。

 

「本当の失敗とは挑戦しないこと」

映画『ウォール・ストリート』(2010年版)の予告編に使われていたコピーです。前作に比べて2010年版は個人的に今ひとつでしたが、このコピーは素晴らしい。
数年前、ワシントンD.C.のスミソニアン博物館を訪れた際、入口にデカデカと飾られたマーク・トウェインの警句のパネルに目を奪われました。

“Twenty years from now you will be more disappointed by the things that you didn't do than by the ones you did do. So throw off the bowlines. Sail away from the safe harbor. Catch the trade winds in your sails. Explore. Dream. Discover."

失敗が恐い故になにかと二の足を踏んでしまうわけですが、本当の失敗というのは失敗を恐れて何も挑戦できないことなんじゃないでしょうか。
後悔だけは残したくないものです。
ちなみに小生はゴードン・ゲッコーではないので、"Greed is good"は社是に加えません。

 

さて、それでは挑戦した結果、仮に失敗したら何が起こるのか?

 

「人は失敗しても馬刺しにはならない」

競走馬は経済動物などと言われますが、優勝劣敗の極めて過酷な世界を戦っています。勝てないと厳しい現実が待っています。
一方で、人間はどれだけ失敗しても学びを活かしていくらでも再起することができます。生きてるだけでまる儲けやないの。

 

「2着も18着も同じ。勝たなくては意味がない」

続けての競馬ネタです。競馬というのは最大18頭で着順を競い合いますが、2400メートルを走りきって、たとえ5センチの鼻差であっても、1着と2着では天地の差があります。2着も18着も同じ。
歴代ダービー馬の名前はだいたい覚えていますが、2着馬の名前は覚えていませんもんね。
勝たないと何にもなりません。勝つために地力を付けるべきだし、勝つために勝てるレースを選ぶべきです。
そもそも勝たないと楽しくないもんね。勝たんとあかん。

 

そして最後に、

 

「なんとかなる」

基本的に近未来の出来事については超悲観的に捉えているのだけれども、長期的にはなにごとも楽観的に考えています。
どれだけ追い込まれた時であっても、なんともならなかったことなんて、これまで一度もありません。
目まいがするほど厳しい現実に直面しても、過ぎてしまえばどうってことありませんし、自分や組織はその前よりもさらに強くなっているもんです。
人事を尽くした上で「最後はなんとかなる」と信じ込む。そうすれば本当になんとかなるものだと小生は思います。

 

以上、長々と裏社是(案)を列挙してみました。
ここで一つだけ、裏ではなく表の社是として確定してしまいたい言葉があります。

 

「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」

リクルート社の創業者である江副浩正氏の言葉です。はい、パクリです。
真面目な話、日本中の会社の社是はこの言葉でいいんじゃないかとさえ思っています。
これ以上にパワフルで、これ以上に前向きな言葉を小生は寡聞にして知りません。
自社の社是が他社さん(それも資本関係も縁もない会社)の社是であるというのも随分と変な話ではありますが、ま、そこはひとつ関係各位には広い気持ちでご理解をいただいた上で、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」の精神を勝手ながら継承させていただきたく。

 

ということで、荒削りで不穏な表現も含んでおりますが、まずはこちらを叩き台に裏社是を磨き上げていければと思っております。
なんだか真面目な内容になってしまいましたが、業績を良くしないことにはおちゃらけたエントリーもしづらいので、こうした裏社是(案)と社是を温めつつ早急に成果を出し、M本とのアホ話や川崎が入館証忘れて一人寂しく正面玄関ロビーで座っていたところを松岡に全力でスルーされたエピソードなんぞを披露すべく精進致します。